2018年 09月 25日
小鹿田焼は九州のほぼ中央、日田市の皿山地区で作られている。市内から車で 30分ほど山あいを進むと、集落が忽然と姿を現わす。 集落の規模は小さく、頂部から右左にカーブする坂道を下り歩くと5分もかか らず外れに至る。集落は僅か13戸からなり、3戸(酒屋、大工、蕎麦屋)を除き、 残り10戸はすべて窯元。しかも、血のつながりが濃く、窯元は組合をつくり、外 部からの職人流入を退ける。 各窯元は屋号を持つが、独自の作家活動は許されない。だから陶器の裏側に刻 印はないが、その代わり、ここから出荷されるすべてに「小鹿田焼」の商標がつ く。ここでは民藝がいまだに息づいている。 水力による唐臼、足で回す蹴ろくろ、薪を使った登り窯、小鹿田焼には機械が 使われない。これだけの山奥、しかも僅か10戸の閉鎖的な共同体が、昔ながらの 方法により今日も生産を続けていることに驚く。 当たり前だが、山間集落は渓流のあるところに発生する。 水量が少ない渓流でも、堰き止めると水が溜まり、堰の高さまで水位が上がる。 だから堰が高いほど水位は上がり、配水の守備範囲は広がる。 この集落にも大小たくさんの堰が築造され、生活用水、そして唐臼の動力源と して利水されている。 唐臼小屋の上流には必ず堰がある。
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by motoki8787
| 2018-09-25 11:55
| 風景・街あるき
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