奥沢文庫

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2015年 09月 26日

奈良・元興寺(がんごうじ)へ

元興寺は近鉄奈良駅からすぐの奈良町にある。

元興寺は、日本最初の寺院、飛鳥寺が、遷都に伴い奈良に移ってきたお寺。東大寺
につぐ大伽藍だったようだ。
その後、寺運は次第に衰え、寺領は新興勢力に奪取されたのか、はたまた、困窮の
度に切り売りされたのか、現在の境内はエエッ?と驚くほどまでに縮小している。
往時に比べると猫の額ほどになった境内には、禅室(=僧坊/奈良時代)と本堂
(=極楽坊/鎌倉時代)が残り、何れも世界遺産だが、この2つが残ったことは奇跡
に近い。

本堂(=極楽坊)は、禅室(=僧坊)の3室を解体、その材料を再使用し、ほぼ同じ
場所に再建築したもの。禅室の過半を生かしながらも、全く別モノに仕立て上げて
いる。解体したものを忠実に再現、移築する仕事より難易度はうんと高いだろうから、
この仕事を見ると、昨今流行りのスケルトンリフォーム工事なんてのは屁でもない。
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本堂(極楽坊)は見るからに古く、いや、実際古く、古色蒼然としていて、それだけ
でも十分にナラ風情が漂い美しい。
が、実は、この美しさは単に古さからくるだけのものではない。

屋根のそり、床の高さ、軒の低さ、柱の太さ、正面の柱間隔、目の混んだ格子戸
など、つまり純粋に造形的な要素が美しさの決め手になっている。とりわけ、外側
に向かい序序に狭くなる柱間隔が利いている。大仏様とか新和様など様式のことや、
木鼻や内法貫、藁座といった部位の名称など、日本建築史の知見を越えて、
設計者の意図、恣意が見る者に直接伝わってくる。その意味で極楽坊には現代
建築を読む時の作法が通用する。

約95坪という大きさも捉えやすく、またよい。

元興寺には、
1)何故か、正面の中央に柱が建つ
2)何故か正面の柱間隔が均等ではなく、外側に序序に狭くなる
3)何故か南側が正面のように見える
4)正方形の平面なのに何故か(方形屋根ではなく)寄せ棟屋根
5)何故か堂内の柱が1本欠けている、
6)再建築した割りには、何故かその場所が禅室に近すぎる
など、謎がたくさんあり興味が尽きない。

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by motoki8787 | 2015-09-26 22:54 | 見た・観た・聴いた | Comments(0)


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