奥沢文庫

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2014年 10月 18日

ルネッサンス建築・わしづかみ講座(その7)

<ルネッサンスの解体>

「メジチ家礼拝堂」で物議をかもしたミケランジェロさん、次は「メジチ家図書館の
前室」(フィレンツェ)で暴走が止まりません。またしても誰も知らない文法(言葉
づかい)でインテリアをまとめてしまいました。

天井が高く、底知れぬ井戸のように深い空間は不気味で空虚です。円柱は壁に
めりこみ、不吉な予感に満ちています。上部の壁がセットバックし、高い筈の天井
が低く感じられ、視覚の錯誤に戸惑います。
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ルネッサンス様式が完成しつつあった時、彼はそこにミケランジェロ好みとも云え
る、極めて私小説的な産物を投げ入れたのです。そこには、「形式」を積み上げ
「様式」を構築するなどという悠長さはなく、即興演奏的なスピード感がありました。
天賦の才能を持つミケランジェロさんだからこそ、できたことでした。 

「よくもまあ、皆、飽きもせず同じようなモノを作っているものじゃ。なにもかも行き
詰まっていることに気付かんようなら、ワシが次の様式の扉をこじ開けてやろう。」

ミケランジェロさんは盛期ルネッサンスの流儀に冷や水を浴びせ、様式の解体を導
いたのです。ただならぬ噂を耳にしたパラディオさんは恐れをなし、この空間にとう
とう足を踏み入れることができませんでした。

    (ルネッサンス建築・わしづかみ講座  終 )
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by motoki8787 | 2014-10-18 19:19 | 連載 | Comments(0)


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