奥沢文庫

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2012年 05月 14日

「屋根のカタチ」と「居住まい」(project IZVI exf. )

住宅における「居住まい」ってのは、黙っていても住み手の生活様式から
滲み出てくるんですが、設計によって一定の傾向を持たせることが、(あ
まり大きい声じゃ云えませんが)実は出来るんです。

その契機はいろいろあるんですが、中でも「屋根のカタチ」を考えることが
案外、近道なんです。つまり、屋根の断面を考える、ということ。
f0091854_16371757.jpg

左の絵は、屋根が空間を「覆う」または「包む」様子です。
「覆われた空間」は、外部と関係を結ぶことに無頓着で、どちらかと云うと
内向的、求心的な性質を持ちます。ここでは、いつの間にか背筋がピンと
伸びるんです。だから、ちゃんとした料理をかしこまって頂くことになります。
しかし、なにか、ちょっと堅苦しくもあります。
  
対して右の絵は、屋根が空間を「翳(かざ)す」様子です。
「翳された空間」は外部と仲良しの関係です。視線はいつも外へ向けられ、
外の景色が贈り物として内部に届きます。ここでは、内外が渾然一体、自然
と体がリラックスするんです。だから、ラウンジチェアに深々と身を沈め、
ワインと外の景色を楽しむことになります。
しかし、なにか、ちょっと緊張感を欠くようでもあります。

どちらが良い、悪いじゃありません。建主の意向とか設計者の企てで決める
ものでもありません。大抵の場合、建物を取り巻く外部環境が軍配を挙げ
てくれるんです。ここら辺りが面白いところですね。
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by motoki8787 | 2012-05-14 23:42 | お仕事 | Comments(2)
Commented by 清水 at 2012-05-16 22:00 x
面白いね、分かりやすい。他にどんな手があるのですか?
Commented by motoki8787 at 2012-05-17 19:45
敷物や家具、調度品により一定の傾向を実現するのが一般的な方法です。これはモノに依存する方法なのですが、私はどうもこれが苦手です。
モノに頼らず、 可能であれば空間の骨格みたいなものを明確にすることで一定の傾向を持たせたいのです。天井の低さとか、明暗とか、光の回り具合とか、風の通りとか..、空気感のようなものに助けを借り、なんとかしたいのです。


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