奥沢文庫

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2012年 04月 19日

 1枚の写真 (たくさんのタブン)

もう3年と8ヶ月も前、鈴木豊の写真展「ピオニール・プラハ」。
写真家yutaka SUZUKIが、ピオニールというチェコ製のトイカメラ
(オモチャのカメラ)でプラハの街を 正方形で切り取った。
東欧の国が製造したB級プロダクト、正方形の印画紙、古都プラハ
これらの組み合わせが最初から尋常じゃない。
(トイカメラの印画紙は正方形。レンズ性能が極めて悪いので印画紙
の四隅まで光を送り届けることができず、だからピオニール写真の
4隅は必ず暗い。)

なかでも、ポスターに使われた1枚は興味深く、この写真は、(写真に
限らず)全てあらゆるものと向き合う時の(ものを見る時の)作法の
ようなものを教えている。
f0091854_23104789.jpg

さて、この写真、
試しに顔を右に90度傾け、眺めると分かり易い。写真家はそのよう
に見える景色をファインダーで覗き、シャッターを押した。つまり、この
写真本来の天地を云えば、右が「天」で左が「地」。
   
ところが、一体どうだろう、(ポスターのように)写真を90度回転させ
てしまうと様相がガラリと変化する。観客(読み手)は突然ソワソワし、
アレコレ色んなことが気になり出す。解読モードにスイッチが入り、その
先はまるで寝た子が起きた様な賑やかさ。

つまり、
タブン、季節は初夏、時間は午後4時として、そうだとすれば
タブン、影の方向から、3人が背を向けている方角が西。対岸建物の
影が落ちていないので、
タブン、川幅はそこそこ広く、タブン、海も近く、タブン、潮の香りが漂う。

タブン、写真左側には望楼・物見塔のような建物があり
タブン、カメラの高さは約9mだから、
タブン、写真家は塔の3階辺りに居る。

タブン、リュックを背負い手をつなぐ2人連れはツーリスト。この2人は
タブン、物見塔に登るためにやってきたアメリカ人。

タブン、鋳鉄製の手すりを背にする3人は、この街生まれの幼なじみ。
タブン、影の体形から3人は若者、地元の港湾労働者。
タブン、手すりが途切れているのは、そこに船が接岸するから。彼らは
タブン、次に到着する船荷を待ち、タブン束の間の休憩中。
タブン、3人3様に異国のツーリストを観察する。
(プラハは内陸都市だから、海はなく、従って港湾労働者もいないが、
現実とのズレはあまり気にしない。)

(まだ続く)

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by motoki8787 | 2012-04-19 23:15 | 見た・観た・聴いた | Comments(0)


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