奥沢文庫

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2012年 04月 10日

山崎泰規 という原子物理学者

阿佐ヶ谷ロフト、山崎泰規のトークイベントに出向いた。
(山崎泰規の語りを聞くのは2回目)

山崎泰規は、研究対象の「原子」「陽子」「電子」など、うんと小さなものを
「エキゾチック」と形容する。そして、「エキゾチック」な物質の「ささやき」を聞く
ことに腐心している…、と自らの研究を説明している。

これを、
「ミステリアスで新奇」なモノ達の「遠慮がちに交わされている会話」にそっと耳
をそばだてる…、と翻訳すればどうだろう、まるでお伽の国の儀式! なんと
ファンタスティック、そしてなんとポエティカルなこと。

このような表現に到るのは、目に見えない世界を相手にしているからだろうが、
ここに「創造的(で強靭)な想像力」が関与していることは云うまでもない。

物理学者らしからぬ言い回しはとてもクール。しかしこのクールさ、日本人には
なかなか響かず、山崎泰規は欧米人(とりわけドイツ人)に人気があるらしい。


以下は昨晩のトークメモ。

このメモは前後が(全く)繋がらず、断片の集積に過ぎない。しかし、原子物理学
のビギナーは断片を手掛かりに全体を想像するしかない。きっと、何度も繰り返し
聞く事で理解が深まると思われる。だから山崎を理解することは言語学習にも似ている。
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■物質と反物質は同数あるはず。実験するとペアでできる。だから137億年前
  (のビッグバン)もその筈。
■物質と反物質は「ひっついて光」になる。
■ Parity  ミラーの世界とこっちの世界は違う。ミラーの中でこっちを見たら
  「破れてる」 
■ ディラック(20世紀初頭)ブンコウ学。
  物事は「飛び飛びで黒く抜けている」
  相対論と量子力学をディラックが結びつけた(?)
  友永は「まるでアクロバティックのよう!」と驚嘆した。アクロバティッ クとは
  「スンゴイ無理」をすること。
■ 電子に対して半電子。「半電子」はラディックの命名。後に00が「陽電子」
   と呼びはじめ、今ではそう呼ぶのが主流。
■ 反物質を作り出す際のイメージは、「beamにして引き出す」という表現がふ
   さわしい。「引き出す」というところがミソ!
■反水素の作り方
   反陽子と陽電子を「そうっと触って混ぜる」
   混ざると(mixすると)反水素が出現する。
   反水素は中性なので、小さな磁石で保持する。
■ 一般的には陽子の回りを電子がグルグル廻っているイメージがあるが、実際 
   は電子が陽子をthroughして往復運動(ピストン運動)している。
■ (反水素を作る原料の)反陽子の製造装置が日本にはない。セルンにある。  
     だから、反水素を作る実験装置を日本のお金でセルンに作った。
■反水素を作る目的は「反水素と水素は(本当に)違うのか?」を確認すること。
■「天使と悪魔」では1/4gの反物質が巨大な爆発を引き起こしたが、これまで  
 に実験室で製造された反物質は僅か00グラムで(仮にそれが爆発するとし 
 て)コーヒー1杯が沸くかどうか、程度のenergy。
■原子力発電においては燃料(ウラン)質量の1/1000がenergyに変化する。
  火薬(の反応)は火薬質量の一億分の1がenergyに変化する。
  反物質はその質量の100%が全てenergyに変化する。

by motoki8787 | 2012-04-10 21:40 | 身辺雑記 | Comments(0)


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