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奥沢文庫

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2016年 05月 07日

徳雲寺・納骨堂へ

久留米へ行く用事があったので、徳雲寺・納骨堂(1955年、菊竹清訓)へ行くことにした。
昨年、見学を試みた知人が門前払いだったので事前に住職宛に手紙をしたためた。前日に
架電し見学の可否を尋ねたところ、「見学はお断りしていま〜す。」とつれない返事。住職と
話すことはできなかった。

翌朝、徳雲寺を目指した。徳雲寺は西鉄久留米駅から歩いて15分ほど、寺町という文字通
り寺が集合する地区のはずれにある。駐車場に「檀信徒以外の方の立入りをご遠慮下さい」
との看板があるが、「公益目的を持つ境内地への出入りは自由な筈」との記憶を頼りに、
勇気を振るい境内へ進む。とがめられたら、もちろん謝る。

すると、うっそうと茂る藤棚の向こう側に目指す納骨堂がすぐに見えてきた。目を凝らすと例
の長い壁(長さ22m!)が浮いている!そのまま進んだところで、左手の庫裏から犬の吠える
声。かまわず建物に近づき入り口側へ廻る。想像より小さく、壁の厚さがやはり薄い。あまり
の華奢な様子に重さを感じない。まるで模型のよう。
背丈ほどのコンクリートの壁が目の前で本当に浮いている!しかも、お堂の入り口が開いている
ではないか!目指す建物には手が届くほど。
と、ここで犬の鳴き声で知ったか、遠くのほうから「見学はお断りしていま〜す。」と女性の声。
徳雲寺・納骨堂へ_f0091854_22212629.jpg

その声に頭を下げやむなく引き返すが、諦めきれず境内地の反対側へ。するとどうだろう、
ブロック塀越しに納骨堂の頂部(逆梁)が見えるではないか。更には1mほど高い更地に
上がると約20m先、お堂のほぼ全容を見ることができた。

建築構造とデザインを次々と競わせた菊竹建築の原点が間違いなくここにある。

コンクリートの外壁は汚れている、というよりまるで墓石のように風化し、濃い緑陰の中で
境内の景色に溶け込んでいた。 
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関連既出記事.
徳雲寺 納骨堂のこと
徳雲寺 納骨堂を分解してみた(その1)
徳雲寺 納骨堂を分解してみた(その2)
徳雲寺 納骨堂を分解してみた(その3)
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by motoki8787 | 2016-05-07 22:22 | 見た・観た・聴いた | Comments(0)


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